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| Jazz&Culture 阿佐ケ谷不届記 http://kitan.semana.co.jp/ |

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聞き手:加藤 豊
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| 加藤: | マッチ自体、ある時代を象徴するアイテムなんですが、特に「広告マッチ」はその時代時代の様子がとても良く見えますよね。その時代の流行とか雰囲気とか・・・ |
| 矢野: | まさにそうですね。 |
| 加藤: | お店のマッチというのは、当時重要な広告媒体であったわけですけど、単に宣伝というだけでなくて、ステイタスというか、プライドというか、存在価値というか、そういう位置づけでデザインにも情熱と愛情を傾けていたお店も多かったんでしょうね。 |
| 矢野: | JAZZ喫茶のマッチは幅広の平型マッチが理想的なんですよね。つまりLPジャケットに近い比率のサイズなんですよ。だから、JAZZ喫茶のオーナーもミニレコードジャケットを作るようなつもりで自分の店のマッチのデザインを考えるわけだから、力が入るんですよね。当然もらってきた客の方もそれを部屋に並べたくなるっていうか(笑) |
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| 加藤: | そうか!、だからこうして沢山のJAZZ喫茶マッチを見ていても、どれもこれも魅力的なんですよね。 |
| 矢野: | JAZZ喫茶においてマッチの重要性は他にもあるんです。 |
| 加藤: | エッ、それはどうして? |
| 矢野: | JAZZ喫茶という独特の空間では、みんなじっと静かに音楽に浸っているわけで、あまり話なんかもできない雰囲気。まさに「スピークロウ」だね(笑) |
| 加藤: | そうそう。僕も大学当時、1年ほどJAZZ喫茶に通っていたことがありましたが、とにかく話ができないんですよね。つい聞きたいこととか、話したいことが出てくるんだけど。それをじっと我慢しているのが辛くなって、JAZZ喫茶通いから脱落してしまったクチなんです(笑) |
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| 矢野: | マイク・モラスキーという知人が、日本のジャズ喫茶の研究をしていてね、彼がいうには、日本のジャズ喫茶は寺子屋だと(笑)アメリカには無い非常に日本独特な文化なんだよね。 |
| 加藤: | なるほど(笑)喫茶店のオーナーと客の関係は、教師と生徒に似た特殊な関係が内在していたわけですね。そこに通い詰めることによって、若者はジャズとかアメリカンカルチャーを学んでいったわけだ。あの当時の人権問題、反戦運動といった社会的問題も含めてね。 |
| 矢野: | そう。エネルギーに満ちた<文化の拠点>的イメージだね。 |
| 加藤: | 矢野さんが最初にJAZZに興味を持ったのはいつ頃なんですか? |
| 矢野: | 16才の夏休み。高校の先輩にJAZZ喫茶に連れていってもらったのが最初で。 |
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矢野正博さんの膨大なコレクションの中から、ほんの一部ですが、ご紹介します。
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| DIG(東京都・新宿) 食品デパート二幸(現アルタ)裏に昭和37(1961)年開店。ゲストの矢野氏が我が人生を決めてしまったキッカケになったジャズ喫茶の老舗。写真家でもある中平穂積氏初代の店。現在は閉店し、「DUG」「New DUG」に移行し、談話解禁、お酒も飲める営業方針に転換となる。画家ビュッフェの絵はまさにDIGの顔となった。 |
サンジェルマン(東京都・高円寺) 昭和41(1966)年開店。 筆者も大学1年当時に通った店だが暗い店内で店主が恐そうで会話厳禁、客はコーヒー一杯で陶酔感に浸っていた。まさにモダンジャズの雰囲気をただよわせるマッチ。既に閉店。 |
イントロ(東京都・高田馬場) 学生の街にある創業、昭和51(1976)年の老舗ジャズバー。ジャムセッションも行われ熱気溢れる店内が魅力。現在も営業中。 |
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| 響(東京都・十条) 昭和39(1964)年開店の老舗。2007年に閉店し、現在は神保町の裏路地で「喫茶去(きっさこ)」の店となっている。 白黒に真っ赤な一文字「響」と人物シルエットが効いていて素朴だがいかにもジャズらしいデザインが目を引く。 |
ナル(東京都・神田駿河台) 昭和45(1970)年開店。 代々木からお茶の水駅のすぐ近くに移転。 ライヴも行っている。黒地に英字のみのデザインが潔い。現在も営業中。 |
バードランド(東京都・新宿二丁目) 昭和45(1970)年開店。 ストリップ小屋モダンアートの近くにあった。フーテンあがりの「酋長」と呼ばれた名物男が開いた店。勢いのある鳥のイラストが印象的。既に閉店。 |
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| クレッセント(東京都・中野) 大音量でジャズを聴く快感が味わえた。 70年代風クラシカルエレガントなデザインセンスを感じる。既に閉店。 |
ビーバップ(東京都・吉祥寺) 昭和45(1970)年開店。井の頭公園口地下に鉄パイプを組み合わせた店内でジャズ&ロックを聴かせていた。シャレたタイポグラフィに70年代当時のファッションセンスも感じる。既に閉店。 |
サムタイム(東京都・吉祥寺) 昭和50(1975)年開店。店内のインテリアはずば抜けたセンスが発揮されている。 ピアノホールと名付けてのマッチは小気味よいデザイン。現在も営業中。 |
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| メグ(東京都・吉祥寺) 昭和45(1970)年開店。老舗だが昔と違い現在では「おしゃべりOK」の店になって営業中。ハンフリー・ボガードをレトロ風に処理したデザインが秀逸。 |
いーぐる(東京都・四谷) コルトレーンが亡くなった昭和42(1967)年に後藤雅洋氏が20歳の若さで開店。近くの上智大学ジャズ研究会に所属していた現在活躍しているジャズミュージシャンやジャズ評論家も日参していた。ブルーを生かしたシャレたイラストが魅力だがジャズの文字がないのが残念。現在も営業中。 |
音楽館(東京都・渋谷道玄坂) 昭和39(1964)年開店。 レトロ風な指差しイラストと構図が魅力のマッチ。 百軒店にあったが既に閉店。 |
吐夢(東京都・阿佐ケ谷) 対談ゲストの矢野氏の店。昭和41(1966)年、21歳の若さで開店。年季が入った渋い調度品の店内でジャズを飲食、歓談しながら楽しめる。ジャズとソウルを聴かせる店「鈍我楽」、「娥楽亭」(閉店)のマッチも兼ねている。「吐夢」の絵は、70年代のカリスマ的漫画家、故・永島慎二さんによるもの。 |
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| エアジン(神奈川県・横浜) マリリン・モンローはジャズファンにとっては日本のジャズ文化の全盛期の象徴として人気があったよう。モンローのモノトーンに店名のグリーンが効いている。 現在も営業中。 |
ブルーノート(神奈川県・横須賀) この店のマッチに対する思い入れは半端でない。矢野氏のマッチコレクションには15種類ほどもあり、どのデザインも品があってレベルが高い。このマッチも深みのあるブルーのピアノとペン書き風な英文書体が秀逸。現在も営業中。 |
サウンド&ザ・フューリー(茨城県・水戸) 昭和45(1970)年開店。茨城では老舗店。 黒のみでデザインされた大判のブックマッチに潔い迫力を感じる。 現在も営業中。 |
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| 蝶類図鑑 (京都府・河原町) 昭和47(1972)年開店。スイング、バップが中心。変わった店名が目を引く。店内には蝶の標本が壁に飾ってあり、会話厳禁。マッチは登録商標マッチラベルの様式を模倣したデザイン。既に閉店。 |
BIG BOY (大阪府・河原町) 昭和46(1971)年開店。モダンジャズが中心。ライヴも不定期に行う。黒地に真っ赤な子供のシルエットがキャッチー。姉妹店名は「BIG MOTHER」。現在も営業中。 |
5 SPOT (大阪府・道頓堀) 地下、1階、2階とあり、アンプ、プレーヤーは1階にあった。オーソドックスなマッチデザインだがジャズ奏者の写真を差替えて10パターン以上も作っている。現在も営業中。 |
志乃 (北海道・岩見沢) 昭和38(1963)年開店。現在は「ゴヤ」という店名でジャズBGM喫茶店となっている。渋い色の配色に素朴なイラストと書き文字風の英文がピッタリ、マッチしている。 |