はじめに

日本で初めてマッチが作られたのは1875(明治8)年。
国産マッチ誕生から140年以上が経過し、新たな時代「令和」を迎えました。

現在では需要が少なくなっていますが、かつては日常生活に欠かせないものであり、
明治・大正期には世界各国に輸出され、日本の発展を支えた大変重要な産業でした。

明治、大正、昭和、平成、そして令和を迎えた今、その長い歴史の中で先人たちが試行錯誤を繰り返し、
さまざまな苦難を乗り越えて築いてきた日本のマッチ産業の軌跡を振り返ることは
大きな意義があるのではないでしょうか。

マッチ誕生からの歴史を大きく5つの時代に区分すると、以下の通りになります。
明治8年(1875)~明治20年(1887) 創業時代
明治21年(1888)~大正9年(1920) 輸出を中心として活躍した時代
大正10年(1921)~昭和21年(1946) マッチ業界受難の時代
昭和22年(1947)~昭和50年(1975) 広告マッチを中心に躍進した時代
昭和51年(1976)~          多角化経営に進出
それぞれの時代の中でもいろいろと紆余曲折があり、一言でまとめることは容易ではありません。

この「マッチの歴史」のコーナーでは、一般社団法人日本燐寸工業会(当時は社団法人)が、
国産マッチ130周年を迎えた2009(平成17)年に刊行した『国産マッチ130年の歩み』の内容をご紹介いたします。

なお、故人の名前の敬称は省略しました。